「最近、測量会社の数が減っているらしい」。公共工事の発注や民間の造成計画に関わる方なら、こんな話を耳にする機会が増えているかもしれません。実際に国の統計を見ると、測量業の登録業者数は長いあいだ減り続けています。

一方で、現場ではドローンやレーザー計測、3次元データといった新しい技術が急速に広がり、測量の仕事の中身そのものが変わりつつあります。減っていく担い手と、進む技術。この二つが同時に起きているのが、いまの測量業界です。

この記事では、測量業界の現状を数字で確かめたうえで、高齢化やノウハウの継承といった課題、そしてこれからの展望を、岡山県倉敷市でUAV測量に取り組むセイエン株式会社の視点から整理します。

数字で見る測量業界の現状|登録業者数は22年連続で減少

測量業を営むには、測量法にもとづいて国土交通大臣の登録を受ける必要があります。国土交通省が2026年8月に公表した調査によると、令和7年度末(2026年3月末)の測量業の登録業者数は10,924業者でした。前の年度から216業者(1.9%)減っています。

ピークは平成15年度末の14,750業者。そこから22年連続で減り、差し引きで3,800以上減った計算になります。令和7年度だけを見ても、新しく登録した業者が271あったのに対し、登録を消した業者は487にのぼりました。

東京商工リサーチの調査では、減少の背景として代表者や技術者の高齢化、人材確保の難しさが挙げられています。測量会社が減ると、地域によっては急な依頼や災害時の調査を引き受けられる会社が近くにない、という事態も起こりえます。

測量業界の現状|代表者・技術者の高齢化が進んでいる

業者数の減少と結びついているのが、代表者や技術者の高齢化です。

代表者の7割近くが60歳以上

東京商工リサーチが2026年10月に公表した調査では、代表者の年齢が分かった測量会社のうち、60歳以上が67.7%を占めていました。2015年の62.1%から上がっています。とくに70歳以上は14.6%から35.1%へと、10年で2倍以上に増えました。

代表者が高齢になり、後を継ぐ人が見つからなければ、廃業を選ぶ会社も少なくありません。登録業者数の減少は、この世代交代の難しさが一因と考えられます。

現場の技術者も50歳代が中心

高齢化は経営者だけの話ではありません。同じ記事で紹介されている国土地理院の実態調査(令和5年度)では、測量士・測量士補は50歳代がもっとも多く、5年前より年齢層が上がっていると報告されています。現場を支えるベテランが引退する時期は、そう遠くありません。

ノウハウの継承が問題になる理由

測量は、機械が数値を出せば終わる仕事ではありません。現地で基準となる点をどこに置くか、草木や地形の条件をどう読むか、得られたデータのどこに違和感があるか。こうした判断の多くは、長年の経験で身につくものです。

ところが、このような判断は手順書に書きにくく、ベテランと若手が同じ現場に立つ時間の中で受け渡されてきました。若手の採用が少ない会社では、その時間そのものが取れません。ノウハウの継承が問題とされるのは、人が減るだけでなく、経験を渡す相手がいなくなるからです。

測量の仕事そのものについては、測量業とは?社会の基盤を支える“データのプロフェッショナル”でも紹介しています。

業務効率化や省人化への対応が必要

人が減る中でも、道路や橋、河川の点検、災害後の調査といった仕事は減りません。むしろ、老朽化したインフラが増えるにつれて、調べなければならない範囲は広がっています。

国土交通省は2024年4月に「i-Construction 2.0」を打ち出し、2040年度までに建設現場で少なくとも3割の省人化、つまり生産性1.5倍を目指すとしています。測量はその出発点にあたる工程です。少ない人数で、これまでと同じかそれ以上の精度と量をこなす。業務効率化や省人化への対応は、業界全体の流れでもあります。

UAV・デジタル技術の実装が加速する測量の現場

こうした課題への答えとして、UAVやデジタル技術を現場に取り入れる動きが広がっています。

UAV(ドローン)にレーザー計測器を載せたUAV LiDARでは、上空から広い範囲の地形を短時間で点群(無数の点の集まりで形を表すデータ)として記録できます。人が立ち入りにくい山林の斜面や災害現場でも、安全な場所から計測できるのが強みです。取得したデータは3次元モデルとして残せるため、現場の状況を事務所で複数の人が確かめられ、技術の受け渡しにも役立ちます。

セイエン株式会社では、FLIGHTS SCAN XT32M2X や Phantom 4 RTK などの機材を使い、一般測量から数値図化、台帳整備、点検・調査業務まで対応しています。当社は測量士、無人航空機操縦者技能証明(二等・夜間、目視外)、JUIDA認定講師などの資格を保有し、一般社団法人 岡山県ドローン協会の理事も務めています。業務の詳しい内容は事業紹介をご覧ください。

新しい技術でもできないこと・向いていない場面

UAV測量は万能ではありません。導入を考える際は、次のような点も知っておく必要があります。

  • 雨や強い風の日は飛ばせず、天候によって日程がずれることがある
  • 空港の周辺や人の多い場所など、法律で飛行が制限される場所では、許可や手続きに時間がかかる
  • 狭い範囲や建物の中の計測では、地上の機器で測る方が早く安く済む場合がある
  • 精度を保つには、地上での基準点の設置や確認が今も必要

新しい技術は従来の測量を置き換えるものではなく、組み合わせて使うものです。どの方法が現場に合うかを見極める判断こそ、経験のある技術者の役割として残り続けます。

これからの測量業界の展望|若い世代に活躍の場がある

担い手が減る業界と聞くと、先行きが暗く感じられるかもしれません。それでもセイエン株式会社は、だからこそ若い世代に活躍の場があると考えています。

ドローンの操縦、点群データの処理、3次元モデルの作成といった仕事は、デジタル機器に慣れた世代が力を発揮しやすい分野です。ベテランの判断力と、若手のデジタルへの強さが組み合わされば、技術の継承も新しい形で進められます。

当社では、ドローンの屋内・屋外練習会や情報交換会を定期的に開いているほか、子ども体験会やワークショップも行っています。ドローンの普及と安全な運航を広めることも、当社の取り組みの一つです。

よくある質問

測量業界の今後はどうなりますか?

担い手の減少と高齢化という課題を抱える一方で、東京商工リサーチの記事では、老朽化が進む橋や道路、トンネルなどで今後20〜30年にわたり修繕や更新が見込まれるとされています。UAVやデジタル技術を使いこなせる会社と技術者の役割は、これから大きくなると当社は考えています。

ドローンが広がると、測量士はいらなくなりますか?

いらなくなることはありません。ドローンはデータを集める道具で、どこをどう測るかを決め、結果が正しいかを確かめるのは測量士の仕事です。

未経験からでも測量の仕事を目指せますか?

目指せます。測量士補・測量士という国家資格があり、働きながら取得する人もいます。当社の体験会やワークショップは、ドローンに初めて触れる方にも対応しています。

まとめ|測量業界の現状とこれからの展望

測量業界の現状を整理すると、登録業者数は22年連続で減り、代表者・技術者の高齢化とノウハウの継承が大きな課題になっています。その中で、業務効率化や省人化の流れを受けて、UAVやデジタル技術の実装が進んでいます。

技術の変化は、若い世代が力を発揮できる場が広がることでもあります。岡山県倉敷市のセイエン株式会社は、UAV LiDARを使った測量と、ドローンの活用支援を通じて、これからの測量を担う人と現場を支えていきます。測量やドローン活用のご相談は、お気軽にお問い合わせください。

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